By ナオ船長
- 人手不足の原因
- 人手不足を解消するには
- 船舶自動化の時代はくるのか
船乗りの人手不足|結論
- 人手不足の原因
・船内での人間関係がうまくいかずに退職→陸の仕事へ
・そもそも内航船員という職業の認知度が足りない
・3K(きつい|汚い|危険)のイメージがある
- 人手不足を解消するには
・人間関係の改善
・船内環境の改善(インターネットなどの娯楽設備)
・休暇|給料の改善
・無理な運行スケジュールの見直し
・現役船員が現状を打ち出すことで、内航海運の透明化を図り認知度を上げるetc
- 船舶自動化の時代はくるのか
・車と同じく船舶の自動運転についても研究が進んでおり、近い将来その時代がくると思われる
船乗りの人手不足|高齢化
多くの業界が人手不足と言われていますが、内航業界も同じく深刻な人手不足に悩まされています。
特に若い船員がおらず、内航船員の50%以上が50歳以上、60歳以上も25%以上であり、30歳以下の船員はわずか15%というかなり偏った年齢構成になっています。
ここで国内輸送において、内航海運はどのくらいの割合かご存知でしょうか。
実は貨物輸送全体の約4割、石油製品、セメント、鉄鋼等の貨物面では産業基礎物資輸送の約8割を担っており、国民の生活や経済活動を支える上でとても重要な輸送インフラとなっています。
そして現状、内航船員の数は年々減少しておりこのままでは破綻の危機にあります。
日本の貿易輸出入に関してはなんと99.7%が船、残りを航空機が運んでいます。
内航船員|人手不足の原因
実のところ人手不足は船会社によってかなりの偏りがあります。
人手不足といわれるのはほとんどが小規模の会社で、その6割が一杯船主であり、小型船(主に499t以下)一隻をのみを保有しています。一杯船主の船は年齢層が高いことが多く、若い船員があまり入りたがらないので慢性的な人手不足となります。
さらに設備面や生活面での充実度も大手海運会社の方が高いため、ますます一杯船主に人が集まらないという悪循環が起こってしまうのです。
その他船員減少の原因としては、
- 船内での人間関係がうまくいかずに退職→陸の仕事へ
- そもそも内航船員という職業の認知度が足りない
- 3K(きつい|汚い|危険)のイメージがある
などがあります。
内航船員の人手不足を解消するには
人手不足を解消するには下記のことを改善する必要があるかと思われます。
- 人間関係の改善
- 船内環境の改善(インターネットなどの娯楽設備)
- 休暇|給料の改善
- 無理な運行スケジュールの見直し
- 現役船員が現状を打ち出すことで、内航海運の透明化を図り認知度を上げるetc
つまり新しく船員を増やすことも必要ですが、今乗船している若手船員の定着率を上げることも重要ということです。結局のところ新人船員が乗船しても、船内環境が悪ければ辞めてしまいますからね。
外国人船員|船舶自動化の時代は来るのか
外国人船員について
現在、世界的に外航船は船長|機関長以外はフィリピン人船員がメインとなっています。日本にはカボタージュというものがあり、これは国内輸送を自国業者に限定するのか、他国の業者にも開放するのかという規則になります。
現在の危機的状況でこれが緩和されるかどうかは実際のところかなり難しいと思われます。フィリピン船員を雇うということは、船内の公用語を英語|もしくは日本語に統一しなければなりません。
船舶の運行はコミュニケーションが必要不可欠なので、ただでさえ人間関係の問題が解決されていない内航船に外国人船員を入れたらどうなるかは目に見えてますよね。
船舶の自動運転について
2019年現在、車と同じく船舶の自動運転についても研究が進んでおり、近い将来その時代がくるでしょう。しかし外航船はともかく、内航船についてはまだ時間がかかると思われます。
実は日本は世界的に見ても航海の難所が多いのです(瀬戸内海など)。漁船もかなり多いために完全自動化は難しく岸壁の受け入れなどの問題もあるため、実現化するとなってもまずは外洋の大型船からと考えられます。
船舶の自動化については別記事で詳しく書いていきたいと思います。
船乗りの人手不足|まとめ
- 人手不足の原因
・船内での人間関係がうまくいかずに退職→陸の仕事へ
・そもそも内航船員という職業の認知度が足りない
・3K(きつい|汚い|危険)のイメージがある
- 人手不足を解消するには
・人間関係の改善
・船内環境の改善(インターネットなどの娯楽設備)
・休暇|給料の改善
・無理な運行スケジュールの見直し
・現役船員が現状を打ち出すことで、内航海運の透明化を図り認知度を上げるetc
- 船舶自動化の時代はくるのか
・車と同じく船舶の自動運転についても研究が進んでおり、近い将来その時代がくると思われる
僕がこのブログを始めた理由の一つは、内航海運を透明化するためなんだ。船上での生活や仕事、楽しみ、やりがいなどをもっと知ってもらいたい!
船員という職業は認知度が低く、船乗り=漁船というイメージがまだまだあるからね。
これからも船上生活や船舶に関することを書いていきますので、引き続き読んでいただけたら泣いて喜びます。
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ではでは、ごきげんよー!!