By ナオ船長
- 船乗りの乗船サイクル
- 船乗りの1日のスケジュール
- 船乗りの生活
※ここでは内航船に絞らせていただきます。外航船はまた違ったスタイルとなります。
- 内航船とは日本国内のみを航海する船のこと
- 外航船とは海外航路を航海する船のこと
船乗りの勤務体系|結論
- 船乗りの乗船サイクル
・3ヶ月乗船|30〜35日
・2ヶ月乗船|20〜25日
・1ヶ月乗船|10日前後
・2週間乗船|5日程度
・5日間乗船|週休2日 - 船乗りの1日のスケジュール
・記事内参考 - 船乗りの生活
・テレビが見れる|ネットが使える
・乗船中も休日がある
・荷役の合間に買い物にいける
・大型船にはジムもある
船種による勤務体系
勤務体系は船種(船の種類)や同じ船種でも船によって異なります。
↓下記の表が勤務期間|休暇期間の目安となります。
目安となる乗船サイクル
乗船期間 | 休暇期間 | 船種 |
3ヶ月乗船 | 30〜35日 | 貨物船 |
2ヶ月乗船 | 20〜25日 | 貨物船(一部) |
1ヶ月乗船 | 10日前後 | 貨物船(一部) |
2週間乗船 | 5日程度 | 貨物船(一部)、旅客船 |
5日乗船 | 週休2日 | 曳船、調査船、作業船等 |
2日又は数日 | 1日又は2日 | 定期航路フェリー |
毎日帰れる | 週休2日 | 曳船、観光船、湾内作業船等 |
かなりざっくりですが、乗下船サイクルはこんな感じです。もちろんですが、乗れば乗るほど休暇が長くなります。ちなみに外航船は9ヶ月以上の乗船期間ののち、3ヶ月ほどの休暇があります。
一年間の乗船スケジュール
3ヶ月乗船の貨物船を例に上げるとこんな感じになります。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
乗船 | 乗船 | 乗船 | 休暇 | 乗船 | 乗船 |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
乗船 | 休暇 | 乗船 | 乗船 | 乗船 | 休暇 |
乗船期間中の土日分が一気にもらえるという感覚ですね。年に3回夏休みがある、と思うとなんだかテンションが上がります。
※一部内航船では、船員不足により休暇が回らない(交代船員がなかなか見つからない)船もあります。
船乗りの勤務体制|1日のスケジュール
まず始めに航海中の航海士の仕事としてワッチ(見張り)というものがあり、3交代制で1人が4時間×2行います。
▶︎航海士A(ゼロヨン)
→0000〜0400 & 1200〜1600
▶︎航海士B(ヨンパー)
→0400〜0800 & 1600〜2000
▶︎航海士C(パーゼロ)
→0800〜1200 & 2000〜2400
ということになります。船によって固定ワッチ制、変則ワッチ制というものがあり、固定ワッチは今の例通り乗船期間中ずっと担当ワッチの時間帯は変わりません。
それに対し、変則ワッチは出航時間、ワッチをとった時間などにより時間帯が変わります。悪い時間帯の時もあればいい時間帯の時もあるので、個人的には変則ワッチがおすすめです。
荷役あり
荷物を積んで翌日揚げ荷役がある時は忙しいです。
荷役あり時の1日のスケジュール|荷役+航海
▶︎8時荷役、2番目ワッチの場合
0600 | 起床|朝食 |
0645 | 荷役準備 |
0800 | 荷役開始 |
1200 | 荷役終了|昼食 |
1600 | ワッチ開始 |
2000 | ワッチ終了|夕食 |
自由時間|睡眠 | |
0400 | ワッチ開始 |
0700 | 荷役準備|朝食 |
0800 | 荷役開始 |
上記のようにワッチ終了前に荷役準備ががくることがあります。このような場合は、基本的にワッチは4時間交代ですが、3時間ちょいとっていれば次の人に交代となります。
荷役なし
揚げ荷役場所へ2日間ほどかかる場合(茨城から鹿児島など)は空き時間に船のメンテナンスをします。
荷役なし時の1日のスケジュール|航海のみ
▶︎2番目ワッチの場合
0330 | 起床 |
0400 | ワッチ開始 |
0800 | ワッチ終了|朝食 |
サビ打ち、ペンキ塗り、ロープの手入れ 書類関係、船内清掃など |
|
1200 | 昼食|自由時間 |
1600 | ワッチ開始 |
2000 | ワッチ終了|夕食 |
自由時間|睡眠 | |
0400 | ワッチ開始 |
0800 | ワッチ終了|朝食 |
メンテナンス|自由時間 |
メンテナンス等が終わればあとは自由時間なので趣味の世界に入ることができます。
船乗りの生活は意外と快適?!
長期乗船と聞くと”かなりきつそう。。”と思うかもしれませんが、船内生活は意外と快適です。詳しくみていきましょう!
テレビが見れる|ネットが使える
海上で携帯は普通に繋がります。
内航船は日本国内のみを航海する船なので、一部(空港近くや陸から8マイル以上離れた海域)を除いて陸が見えていれば大体繋がります。
ちなみに最近の船には各部屋にテレビがあるのでDVDの視聴や録画もできます。
乗船中も休日がある
乗船期間中は休みなしで働きづめ、と思っている方もいるかもしれませんが、乗船中にも7日〜10日に一度休みがあります。(※船による)
この休日でリフレッシュを行い、長い乗船期間を乗り越えていきます。
荷役の合間に買い物にいける
先ほどの休日以外にも陸に降りて買い物に行けるチャンスがあります。
それは荷役中です。基本的に荷役中は、2〜3人が常時荷役現場にいなければなりません。なので船長、機関長、一等航海士(荷役責任者)が船に残り、他の船員が船の食料買い出しに行きます。(499tの船舶の船員数は5〜6人)
大型船にはジムもある
船員の運動不足解消として、船内に筋トレルームがある船もあります。なぜだか乗船中はやることがないと不思議と身体を鍛えたくなります。
船乗りの勤務体系|まとめ
- 船乗りの乗船サイクル
・3ヶ月乗船|30〜35日
・2ヶ月乗船|20〜25日
・1ヶ月乗船|10日前後
・2週間乗船|5日程度
・5日間乗船|週休2日 - 船乗りの1日のスケジュール
・記事内参考 - 船乗りの生活
・テレビが見れる|ネットが使える
・乗船中も休日がある
・荷役の合間に買い物にいける
・大型船にはジムもある
船乗りの勤務体系はとても特殊だから、自分に合ったスタイルの船選びが重要なんだ。
閉鎖空間での職場だからこそ、少しでも乗船中のストレスを無くそうとする環境づくりをしていこう!
船乗りのなり方が気になる人は下の記事も見てみてね!
ではでは、ごきげんよー!!