By ナオ船長
- 船内生活でもっとも重要なこと
- 船乗りの退職理由No.1
- 船上で人間関係をうまくやるには
船乗りの人間関係|結論
- 船内生活でもっとも重要なこと
・良い人間関係を築く - 船乗りの退職理由No.1
・人間関係によるもの - 船上で人間関係をうまくやるには
・適度な距離感をもって、謙虚に、年齢に関係なく相手を尊敬する。
船乗りの人間関係
船内生活で最も重要なのは人間関係です。
コミュニケーションの問題でもありますが10代から60代(稀に70代もいる)の船員が乗っているので、年齢が離れすぎてまず話が合いません。そしてどんなに嫌な人とも毎日顔を合わせなければなりませんので、これがかなりのストレスになります。
どの職場でも人間関係に悩むことはあるかと思いますが、自宅に帰ればリフレッシュ出来ます。しかし船乗りの場合24時間同じ場所で過ごすので逃げ場がありません。つまり人間関係が悪いと仕事だけでなく船内生活にも影響を及ぼし、常に気の休まるヒマがないという状況になってしまいます。
船乗りの退職理由No.1は人間関係
船乗りの退職理由のほとんどは人間関係によるものです。
船には大概一人以上はウマが合わない人がいます。暴言を吐く人やいじめをする人も中にはいる場合があります。そういうことがあっても、他の船員は知らんぷりなので止めることが出来ません。
もちろんほんの一部ですが、こういった船があることも確かです。閉鎖空間ということから先ほども述べたように逃げ場がないので、うつ病になってしまう方もいます。
港に着いて、新米船乗りの部屋を見にいったら荷物がなくなっていた(逃げ出した)なんてことも珍しいことではありません。
僕が新人船員の頃の人間関係による悩み
船に乗りたてのころは下記のような悩みがありました。
- お酒を朝まで飲まされる
- パチンコを強制される
- 仕事開始時刻を教えてもらえない
お酒を朝まで付き合わされる
今は少なくなりつつありますが、船乗りには稀に酒豪を超えてアルコール中毒レベルの人がいます。そして大体酒癖がかなり悪いです。付き合えば確実に許容範囲を超えた飲み方になり、次の日(もう当日)には仕事どころではありません。
それからというもの、転職した職場ではお酒が好きでも嗜む程度と言うようになりました。
パチンコを強制される
船では先輩の言うことは絶対に聞くというような風潮があったので、休みの日にお金がなくても無理やりパチンコに連れて行かれることがありました。断ればいいのですが、当時はなんだか船とはそういったもんだという感じで麻痺していたんですね。人間関係を崩すまいと毎回付き合っていました。
しかしある日、やりたくもないパチンコをやるという圧倒的な時間の無駄を感じ、最後にはどうにでもなれといった感じで断りました。そしてのちに退職します。
仕事開始時刻を教えてもらえない
これはかなり精神的にきます。
船では荷役の状況や荷物の性質などにより、準備の開始時刻が毎日変わります。乗りたてで何もわからない状態だったので、開始時刻を聞きましたが教えてもらえません。
いつ始まるのかがわからないと言うのは本当に気が休まりません。休息時間であっても誰か仕事をしてるんじゃないかと思ってしまい、おちおち休むことも出来ませんでした。
開始時刻を教えてもらっても、その前からすでに作業や準備していることがほとんどです。なので最終的には、リビングで寝たり開始時刻の1時間に逆にこっちが準備を終わらしておくといった荒技をしていました。笑
船上で人間関係をうまくやるには
適度な距離感をもって、謙虚に、年齢に関係なく相手を尊敬する。
これが僕が船上で心がけていることです。挨拶や時間を守るといった当たり前のことを当たり前にやるということも意識しています。
そして、年齢による価値観の違いは確実にあります。以前までは「酒、煙草、女、博打」といったものが船乗りの普通とされていました。しかし新しい世代の船員が働くことにより、その普通は変わりつつあります。
何年後かには自分が逆の立場になっているかもしれません。さらに新しい世代により価値観は常に更新されていくので、その時には柔軟に新しい風を受け入れていきたいと思います。
船乗りに向いている人とは|「あ、これ無理だな」と思ったら辞めても問題なし!
船乗りに向いている人というのは、ポジティブ思考、上昇志向の人です。
どれだけ怒鳴られても叱られても、次の瞬間には切り替えているような人や、作った料理をまずいといわれ、目の前で捨てられても「次は絶対うまいと言わせてやる、、!!」といったような。笑(体験談)
もちろん、危険も伴う仕事だからこそかなり厳しく言われます。その度に落ち込んでいたらきりがありません。そうやって先輩船員も育ってきたので、なぜ怒られたのかを考え理解したら、そのあとはもう気にする必要はありません。
努力したものの人間関係がうまくいかない場合、その船を辞めても問題ありません。ぶっちゃけ船の就職先など無数にあります。
石の上にも3年なんて誰が言ったんでしょう?船乗りの仕事、船内生活は特殊なので「あ、これ無理だな」と思ったら違う環境に身を置いてみるのもいいですね。
人それぞれ適正というものがあるので、船員しか選択肢がないと思い込まないことです。
船乗りの人間関係|まとめ
- 船内生活でもっとも重要なこと
・良い人間関係を築く - 船乗りの退職理由No.1
・人間関係によるもの - 船上で人間関係をうまくやるには
・適度な距離感をもって、謙虚に、年齢に関係なく相手を尊敬する。
せっかく頑張って海技士の免許を取得し、船乗りとして頑張っていこう!と思った船員が、最初に乗船した船で人間関係により「二度と船に乗るか!!」となってしまうのはとても残念でならないんだ。
逆にいえば人間関係さえクリアできれば船内生活はより楽しくなって、不思議と肉体的にも精神的にも辛くなくなってくるよ。
みんなが気持ちよく働ける職場環境を、みんなで作っていきたいね!
船乗りのなり方が気になる人は下の記事も見てみてね!
ではでは、ごきげんよー!!