By ナオ船長
- 船乗りの連絡手段
- 電波の通じやすい場所|通じにくい場所
- 船舶間の連絡手段
※ここでは内航船に絞らせていただきます。外航船はまた違ったスタイルとなります。
- 内航船とは日本国内のみを航海する船のこと
- 外航船とは海外航路を航海する船のこと
船乗りの連絡手段|結論
- 船乗りの連絡手段
・ほぼ携帯 - 電波の通じやすい場所|通じにくい場所
・通じやすい場所|瀬戸内海|陸から8マイル以内
・通じにくい場所|空港近く|部屋の中(船内)|岸壁(一部)
- 船舶間の連絡手段
・国際VHF(船舶共通通信システム)
船乗りの連絡手段
結論から言いますと、連絡手段はほぼ携帯です。
10年前ほど前は、まだ海上の電波も弱く携帯での連絡が取りずらかったのですが、今では徐々に解消されてきています。
船自体にも船舶電話というものがあります。これは船専用に契約した携帯で(ガラケーが多い)、荷役の予定関係で会社からかかってきたり、代理店やバンカー(給油船)に連絡する時などのに使用されています。
電波の通じやすい場所|通じにくい場所
徐々に改良されてきてるとはいえ、船は常に移動しているので、航海している水域によって電波がよくなったり、悪くなったりを繰り返します。
電波の入りやすい場所
- 瀬戸内海
- 陸から8マイル以内
瀬戸内海
瀬戸内海では大体電波が入ります。キャリアによって様々ですが、本州や多数の島から電波を拾います。来島海峡を通る時や、瀬戸大橋をくぐる時が陸に近いだけあって電波がよくなります。
陸から8マイル以内
瀬戸内海以外でも、陸から8マイル(※1)程度であれば電波が入ります。しかし内航船は沿海区域(※2)を航海するので陸から8マイル以上離れると電波はどんどん悪くなります。
※1→1マイル=1852m
※2→沿海区域=日本の海岸から20マイル以内の水域
電波の入りにくい場所
- 空港近く
- 部屋の中(船内)
- 岸壁(一部)
空港近く
船舶は荷役の調整などにより、空港付近に錨を下ろして停泊することがあります。様々な原因がありますが、空港近くは陸から近くても電波が悪くなります。
携帯の電波は障害物があると跳ね返ってしまうので、数多くの飛行機が飛び交うことで機体自体が電波をかく乱させてしまうことも原因のひとつだと言われています。
部屋の中
船は鉄(鋼)でできているので、そもそも船の中には電波が届きにくいです。
そして、部屋の位置も重要です。部屋には窓が1つ(多くて2つ)しかないので、自分の部屋が陸側か海側かでも電波の入りが全く違います。
そのほか、エンジンルームは水面下に位置しており電波は入りません。
岸壁(一部)
休みの日には船を岸壁につける時があります。
船をつける岸壁は大体街の中心地からかなり離れており、周囲に何もない場所が多いです。なので陸であっても電波が弱いときがあるので注意です。
船舶間の連絡手段
船には国際VHF(船舶共通通信システム)というものがあり、船舶において
- 遭難、安全通信
- 港務通信|位置通報
- 水先業務etc
と全世界で使われています。
具体的な使用例としては航海中にVHFで他船を呼び出します。
主に避航動作についての会話で、”左舷対左舷で(お互い相手の船を左に見て)いきましょう”であったり、外国船を追い越すときに”貴船(外国船)の右後ろから追い越しますね”といったやり取りになります。
船乗りの彼女|彼氏でも連絡は取れるので心配なし!
最初に述べたように、ラインであったり顔を見て話したくなったらスカイプなんかもあるので連絡手段には困りません。
今では船の現在地を示すFindShipというサービスもあり、恋人の船がどこを航海しているのかも分かります。(これにより”電波が通じなくて連絡できなかった”という言い訳ができなくなりました笑)
現在地が分かるというのは家族や恋人からすればとても安心ですね。
船乗りの連絡手段|まとめ
- 船乗りの連絡手段
・ほぼ携帯 - 電波の通じやすい場所|通じにくい場所
・通じやすい場所|瀬戸内海|陸から8マイル以内
・通じにくい場所|空港近く|部屋の中(船内)|岸壁(一部)
- 船舶間の連絡手段
・国際VHF(船舶共通通信システム)
海上での連絡手段や電波環境は、海上生活においてとても重要な要素の一つなんだ。
電波状況はまだ陸のようにはいかないのが現状だけど、徐々に改良されてきているから電波の問題はそんなに遠くない将来解消されると思うよ。
現代の若者にとっても、船上でインターネットが快適に使えるかどうか船員定着率の鍵だね!
船乗りのなり方が気になる人は下の記事も見てみてね!
ではでは、ごきげんよー!!