By ナオ船長
- 船の飲酒運転はダメか
- 船での飲酒規制
- 船内での飲酒運転対策
- 船乗りがお酒を飲めるのとき
- 乗船期間中にお酒を飲んだら気をつけること
船乗りの飲酒|結論
- 船の飲酒運転はダメか
・船の飲酒運転は禁止 - 船での飲酒規制
・呼気1リットル中のアルコール濃度0.15mg以上は操船、甲板監視任務(見張り)等は禁止 - 船内での飲酒運転対策
・アルコールチェック - 船乗りがお酒を飲めるのとき
・ワッチ終了後
・船内での休日
・仮バース時 - 乗船期間中にお酒を飲んだら気をつけること
・船内で飲酒した場合|航海中は外で用を足さないこと
・船外で飲酒した場合|岸壁から船に乗り移る際には注意する
船の飲酒運転は禁止!!
なぜだか、船の飲酒運転は大丈夫と勘違いしている人もいますが、車と同じで船の飲酒運転は禁止されています。
飲酒をすることで操縦者は、
- 注意力
- 判断力
- 運動能力
が低下するので、事故を起こしやすくなります。
大型船はもちろんのこと、小型船や水上バイクも飲酒運転は禁止されています。
船での飲酒規制
国土交通省は、車の飲酒運転による事故が多発し問題となった時期に操船ついても規制を強化しました。
①、安全管理規程に基づき呼気1リットル中のアルコール濃度0.15mg以上の状態における当直を禁止し、その違反は処分対象
②、船員法に基づく酒気帯び状態での当直禁止の違反について上記に準じて処分基準を策定
③、小型船舶についても酒酔い操縦の判定基準の一部を強化
当直の場合は戒告、小型船舶の場合は3点減点、飲酒事故を起こした場合、5年以下の懲役、100万円以下の罰金が課されます。
アルコール濃度0.15mg以上というのがどれくらいかというと、
- ビール1缶(350ml)
- ワイングラス(125ml)
- ウイスキー(40ml)
これら全てアウトです。人によって少量でも数値を超えることがあるため、操船前に一滴でも飲んだら操船しないということを徹底するのが大切ですね。
※ちなみに飲酒により出来なくなる業務としては操船だけでなく、甲板監視任務(見張り)も禁止されています。
船内での飲酒運転対策|アルコール検査
飲酒による海上事故が多発しているため、最近では現場レベルでも厳しくなってきています。
飲酒操船対策として、当直(ワッチ)に入る前に検査器を使ってのアルコールチェックがあります。基本二人で行い、前直者の前でチェックを行います。
万が一基準値を超えていた場合、前直者が引き続き当直を行うか他の航海士が当直を行うことになります。
船乗りはどんな時にお酒を飲めるの?
要は飲酒運転が禁止であって、業務外はお酒を飲んでもかまいません。
例えば、
- ワッチ終了後
- 船内での休日
- 仮バース時
などといったときです。
ワッチに入る時間を逆算して、お酒がどのくらいの時間で分解されるかも知っておく必要があります。
種類 | 容量 | 分解時間 |
ビール | 1缶(350ml) | 2〜3時間 |
ワイン | 1杯(120ml) | 2時間 |
焼酎 | 1合(180ml) | 6〜7時間 |
ウイスキー | ショット(30ml) | 2時間 |
もちろん人によって分解の速度が違うので、安全策としてワッチに入る6時間前くらいからはお酒を飲まない方が良さそうですね。
乗船期間中にお酒を飲んだら気をつけること
船内で飲酒した場合
航海中は外で用を足さないこと。
確かに開放感があって気持ちいいですが、平衡感覚がにぶっているため船の大きな揺れにより万が一ですが海上に転落する可能性があります。普通に船内のトイレを利用するのがベスト。
船外で飲酒した場合
仮バース時(陸上での休日)に外でお酒を飲んだ場合は、岸壁から船に乗り移る際に注意が必要です。
現在はしごがかかっている船がほとんどですが、以前はそういったものがなく(あったとしても酔っているため)足を滑らせて海上に転落したという事例もありました。
最近では船と岸壁の間にネットを張ったり、万が一海に落ちたとしても他の乗組員に知らせる用に木のハンマーを海に浮かべているところもあります。(外板を叩けばかなりの音がする)
今後の船内での飲酒規制
船内での飲酒はますます厳しくなっていくと思われます。
しかし近頃、若い船乗りはあまりお酒を飲まないと感じています。なので以前の様な”船乗り=酒”といったイメージはだんだんなくなっていくと思います。
しかしまだ飲酒での事故は多いのが現状なので、車のように酒気があると操船できないというようなシステムがない限り船の飲酒事故を完全になくすことは難しそうです。
船乗りの飲酒まとめ
- 船の飲酒運転はダメか
・船の飲酒運転は禁止 - 船での飲酒規制
・呼気1リットル中のアルコール濃度0.15mg以上は操船、甲板監視任務(見張り)等は禁止 - 船内での飲酒運転対策
・アルコールチェック - 船乗りがお酒を飲めるのとき
・ワッチ終了後
・船内での休日
・仮バース時 - 乗船期間中にお酒を飲んだら気をつけること
・船内で飲酒した場合|航海中は外で用を足さないこと
・船外で飲酒した場合|岸壁から船に乗り移る際には注意する
飲むタイミングと量さえ間違えなければ、船上で飲むお酒はとても美味しいよ。休みの日に船の皆とバーベキューをやりながら飲むのもたまらない!
やっぱりお酒は節度を持って楽しむのが一番!
安全運行のためにもそれぞれがお酒に対する意識を持ち、自己管理をしていく必要があるね!
船乗りのなり方が気になる人は下の記事も見てみてね!
ではでは、ごきげんよー!!